読書

注目の女性棋士の破天荒将棋漫画「龍と苺」がおすすめ

2022年は、たくさんの女流棋士が誕生。そして、里見香奈女流5冠が棋士編入試験を受けましたが、残念ながら棋士にはなれませんでした。

私は観る将になったばかりです。大好きな漫画の中に女性の棋士を題材にしたものがないか探していたところ現在連載中の漫画が2つある事がわかりました。

  • 龍と苺
  • 永世乙女の戦い方

今回はそのうちの1つであるかなりぶっとんだ「龍と苺」をご紹介します。

かなり特徴的で破天荒ぶりに好き嫌いがでると思いますがぜひ一読してみて下さい。

「龍と苺」の基本情報

作者・掲載誌等

「龍と苺」の基本情報
  • タイトル:龍と苺
  • 原作:柳本光晴
  • 掲載誌:週刊少年サンデー
  • 出版社:小学館

原作の柳本光晴先生は「響~小説家になる方法~」の作者です。

「龍と苺」のキャスト

役割名前概要
主人公
アマ棋士
藍田 苺主人公。将棋の天才。後半は努力をしていくが基本的にはただただ強い。
「命をかける」事に執念を燃やす。
スクールカウンセラー宮村藍田苺の通う中学のスクールカウンセラー(元校長)。藍田苺に将棋をさせた人。師匠(藍田苺もそう言っている)。
奨励会1級滝沢 圭太藍田苺の通う中学の将棋部の生徒。プロ棋士になる為真剣に将棋に取り組んでいる。
奨励会1級大鷹 月子父親が名人で、奨励会入りを反対されアマ大会に出まくっている時に、藍田苺が初めての大会で対局する。藍田苺や鴨島リリとの対局を通じて親の反対を押し切ってプロ棋士になる道を選ぶ
奨励会初段鴨島 凛々アマ竜王戦本戦から登場。大鷹月子に勝利。内向的な性格で、友達のすずと常に行動を共にする。メンタルがゴミ。
プロ棋士
竜王
山野辺 彰人かなりの強面。最強の一角。26歳と若いがとてもそういう風には見えない。
プロ棋士
八段
伊鶴 航大藍田苺が初めて対局したプロ棋士。藍田苺が倒したい目標。
プロ棋士
将棋連盟会長
九段
守屋 倉市常に葉巻きを加えている。将棋連盟会長だけあっていう事はまとも。

面白いところ

将棋界の女性への扱いが辛辣

この漫画で出てくる女性の棋士への扱いがかなり衝撃的です。

女性棋士が今までいないのは事実ですが、女性に対してかなりハラスメント的な発言が多いです。

そこまでいうか?という事が多いですし、かなり男性たちの女性への扱いが酷すぎます。第1話の初めからこうです。

 

引用元:龍と苺 1巻 第1話 命懸け

こんな発言が常につづきます。そんな中で藍田苺の「命を懸けで何かをしたい」という信念に基づき、勝負にこだわる姿勢と相手を打ち負かした時の爽快感はたまりません。

一方で、女性棋士がなかなか誕生しない事実に向き合う事がいかに大変かをとても深く考えさせられます。里見香奈女流が棋士編入試験を受けましたがそのときもTwitter上で色々なつぶやきがあり、藍田苺だったら「ふざけんな」って言ったのかなぁと思う次第です。

藍田苺の破天荒な行動に引き込まれる

なんと言っても主人公の藍田苺が魅力なのですが最近の漫画では中々お目にかかれない「超天才」です。

天才すぎて、将棋に関しては参考になりません。

わずか2日で、将棋大会に出場して元将をやぶるなんてぜったいありえないですから。

また、藍田苺の今を生きる、今やりたいという気持ちにも共感できます。相手がプロだろうが対戦したいし、回り道せずに純粋に最短ルートを目指す。そんな姿は憧れます。

 

引用元:龍と苺 

将棋界を極道のように書くのが新しい

この漫画読んでいくと正直、ヤクザ漫画か?と思います。

将棋連盟会長の守屋九段は、葉巻きを吸っていていかにも大親分という感じです。

 

引用元:龍と苺 3巻 第27話 説教

 

山野辺竜王は、もう短髪でソリが入ってるし、アマ竜王戦本戦の挨拶でスーツの上に羽織っている羽織には龍が刺繍されているし、かなりのもんです。まずいくら藍田苺か「何言ってるかわからない」と、言ったからって胸ぐら掴んでこんな事しないと思います。

 

引用元:龍と苺 3巻 第25話 開幕

 

海江田九段は、対局後に入ってきた藍田苺を2回も殴ります。1回目は平手で、2回目は裏拳で殴るんです。かなりの衝撃シーンです。

 

引用元:龍と苺 2巻 第9話 10年後

 

 

引用元:龍と苺 2巻 第9話 10年後

 

 

これらのシーンだけだすとなんの漫画?となると思いますがちゃんと背景はあるのでぜひとも読んでこれらのシーンを堪能してみて下さい。

私的には、これらの突拍子もないところがツボです。

残念なところ

女性棋士の絵がいけてない

特に、女性が主役なんですがその女性がちょっといけてない。

藍田苺と鴨島凛々の幼なじみのすずと顔がそっくりなんです。最初ででてきた時驚きました。なんでこの人は関西弁でしゃべってるの?と思いました。しかし、話が進むなかでようやく別のキャラクターだという事に気付きました。

さすがにまずいと思ったのか、髪型が途中で変わっています。漫画の中でも、「髪型変えたんだ」と触れられています。

もう少し、女性のキャラクターが映えて来るとより面白くなるのではないかと思います。

おすすめな人

「龍と苺」をぜひ読んで欲しいおすすめの人を紹介します。

おすすめな人
  • 男性の昔ながらの横柄な態度にうんざりしている人
  • 固定観念に当てはめてみられる事にうんざりしている人
  • 池井戸潤の小説が好きな人
  • 今やる事がわからず悶々としている人
  • 勝負に熱くなりたい人

なんと言っても、この漫画はとてもひどい扱いを受ける人が、スカッと勝って行くところが爽快なんです。

なので同じような境遇にいる「男性の昔ながらの横柄な態度にうんざりしている人」や、「固定観念に当てはめてみられる事にうんざりしている人」には特にささると思います。まさに、女性棋士版半沢直樹という感じですので、「池井戸潤の小説が好きな人」にもおすすめです。

もう一つの魅力は、藍田苺がそもそも何か物足りないと感じていた人で、命をかけるような熱くなるものを見つけ、それにとにかく突き進むという姿がいいです。なので、「今やる事がわからず悶々としている人」や「勝負に熱くなりたい人」は藍田苺の姿にこころが動かされるのではないかと思いますのでおすすめです。

まとめ

まとめです。

  • 天才が古い男性社会を痛快に走り抜けるのが気持ちいい
  • 女性棋士版の半沢直樹、池井戸潤さんの小説が好きな人におすすめ
  • 男性キャラクターの極道っぷりが見事

以上、最後までお読みいただきありがとうございます。参考になったらうれしいです。

 

 

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