2023年7月14日に発売された最新作の「はみだし探検隊登場」を読み終えましたのでご紹介します。
今回は、塀で囲まれた安全な村に突如モンスターが湧き、農作物などがダメになるところから、村の厄介者になっていた「腐ったリンゴ」の少年少女達が村を助けようと塀の外に飛び出すお話です。
マイクラ公式小説初のミステリー小説になっています。
あらすじ
塀で囲まれた村は安全ではあるが、自分がやりたい事は出来ず、家業を継ぐ事だけが許されている。そんな中で、「腐ったりんご」と呼ばれている4人組の少年少女がいる。名前は、マル、レナ、チャグ、トック。いつも、人のためにと思っているのだがその行動は村の人を困らせている。
そんなある日、村の食べ物が大量に腐ってしまう。そこで疑われたのは、「腐ったりんご」の彼ら。だが、誰も実際にそのような事をしているのをみた事が無い。そこで村では、このまま広がるようなら村を捨てるという議論が行われる。
なんとか阻止したい腐ったりんごたちは、町でただひとり、壁の外で生まれた人である町の端っこにいるマルのひいひいおばあちゃんのナンに会いに行くことを決め、会いに行きます。そこで聞いた内容は衝撃的でした。
腐ったリンゴたちは、この町で起きたできごとを解決するため、意を決して壁の外へでていきます。壁の外の世界では初めての出来事ばかり、そして、なぜこの町が狙われているのかが徐々に明らかになっていきます。
マイクラの世界のドキドキ感とミステリー要素を含んだ作品です。
感想
私は、マイクラで村を見つけると村を守ろうと柵で囲いますが、砂漠の村だったことがあり、木材があまりなかったので進撃の巨人のように高くそびえたつ壁を作ったのを思い出しました。マイクラの中の村人たちは文句も言わず、ただただそこで暮らしていますが、この小説を読んでハッとさせられました。安全が過剰すぎると、窮屈で新しい発見も改革もおきづらいんだなぁと改めて実感しました。
私の勤めている会社でも安全を最優先に考えると異文化があるのですが、カッターすら使ってはいけないとか、手すりを持て歩かないといけないとか保育園でもやらないようなことをしていたりします。もちろん、仕事中にけがをするのはよくないですがだからといって危ないことになるかもしれないものを禁止するとか、手すりが必要がない人までやらないといけないとかはちょっと信じがたいですよね。なにか問題や事故が起きるとそれを禁止したくなりがちで、それを守ろうとするのですよね。
本当に大切なのは、この小説の中でも出てくる通り、何が危険なことなのかやどういったことに気を付けなければいけないかを伝えることであって、行動を強制することではないと気づかされました。
また、ミステリー要素があるので、犯人探しをしながら読むことをお勧めします。伏線が多々含まれていますので、注意深く読むことをお勧めします。本当は、いろいろと書きたいのですがネタバレになってしまうのでここまでにしておきます。ぜひ、ご自身で体験してもらえたらと思います。
テーマは「保守的と革新的」です
今回は、壁に囲まれた町を通じて「保守的」な部分と、マルのひいひいおばあちゃんのナンとであってから壁の外にでていく腐ったリンゴたちの「革新的」な部分がテーマになっています。
最初にルールを作った人は、安全・安心を大事にしたいという気持ちがあったと思いますが、理由もわからずただ従えと言われて育った人たちの中には、どうしても「なぜ?」という思いを持つ人がいると思います。そして、やはり発展させていくためには、危険なことが何かを知ったうえでチャレンジするということが必要になると思います。その危険なことがあると知ったうえで、安全・安心にチャレンジするためにはどうしたらよいか考え行動に移すことが「革新的」なのではないかとこの物語を通じて感じることができます。
こんな人におすすめ
この本はこんな人におすすめです。
- 今所属している場所が窮屈に感じる人
- 新しいことにチャレンジしてみたが、壁を感じている人
- ミステリー小説などで犯人探しが好きな人
今所属している場所が窮屈に感じる人
この物語では、テーマで書いたように「保守的」と「革新的」ですので、なんとか現状を抜け出したいと考えている人におすすめです。
この物語を読むことで、どうやったら今の状況が打開できるのかや勇気をもって外に出るためにはどうしたらよいのかのヒントが主人公たちを通じて体験できます。
新しいことにチャレンジしてみたが、壁を感じている人
主人公の中には、外に出たからこそ前の生活がよかったと感じたり、危ないことが本当にあるのだということを体験していきます。
こうした経験は、チャレンジしているときの壁になるようなことですが、そこを乗り越えることで得られるものや成長があります。一方でこの壁を乗り越えるのは、どの人にとってもとても難しく、そこでやめてしまう人も多いと思います。
それでは、どうしたらこの壁は乗り越えられるのでしょうか。それを主人公と一緒に体験できるのがこの本です。
ということで、「新しいことにチャレンジしてみたが、壁を感じている人」におすすめです。
ミステリー小説などで犯人探しが好きな人
この本の特徴として、ミステリー要素全開作品になっています。いろいろな伏線もあります。
私は、この小説を読むときは、ミステリー小説とは思っていなかったので伏線等は最初わかりませんでしたが、改めてミステリー小説なんだと認識してから読むとより楽しめ、犯人は誰なのかをどきどきしながら読むことができると思います。
ということで「ミステリー小説などで犯人探しが好きな人」におすすめです。
まとめ
マイクラ公式小説 第11弾「はみだし探検隊登場」を紹介しました。
まとめです。
- マイクラ公式小説初のミステリー小説
- テーマは「保守的と革新的」
- 是非読んで欲しい人は「今所属している場所が窮屈に感じる人」「新しいことにチャレンジしてみたが、壁を感じている人」「ミステリー小説などで犯人探しが好きな人」
最後まで、読んでいただきありがとうございました。