脳動脈瘤があると分かったとき、自分は何がしたかったのかととても悩みました。そして、何のために生きているのかをとても疑問に思いました。
改めて考えてみると、この気持ちを打ち明けられる人はいなかったし、どうしたらいいのかが全く分からなくなっていました。
手術が終わったので大分落ち着きはしましたが、今でも自分は何がしたいのか、どういう風に生きていきたいのかを模索しています。
今回は、その疑問を解決するヒントになる書籍を見つけましたのでご紹介したいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
本の情報
- 著者:永松 茂久(ながまつ しげひさ)
- 出版社:フォレスト出版
- 発売日:2022年11月04日
- ページ数:204ページ
著者の永松茂久さんは、株式会社人材育成JAPAN代表取締役です。2021年にすべての書籍を含む日本年間ランキングで1位の「人は話し方が9割」で一躍有名になった方です。
要約と感想
出会いを求めすぎ
要約
著者は、多くの人から人生は出会いで変わると教えられてきて行動力とフットワークの軽さでいろいろな人のところに会いに行っていた。そんなとき、師匠から「お金と時間がもったいない」と言われてしまう。将来の人脈を広げるために、お金や時間を出会いに投資してきただけにショックが大きかった。師匠は、「多くの人が出会いを求めすぎ。今やるべきことがおろそかになり、本当に大切な人を見失って命を滅ぼす」という。
確かに、著者は社会的に力のある人とあってチャンスをもらいたいという下心が満載で会いに行っていた。師匠は、「会いたいと思う成功者たちは、ただの出会い好きなのか、本当に仕事に打ち込んでいる人なのかはすぐわかる」という。そして、「自分の持ち場で一生懸命に喜んでもらっている若者の方がずっと魅力的だ」という。
感想
私は脳動脈瘤になったときにそのことを言えたり、相談できる人はいなかった。正直妻に相談しても響かず非常に悩んだ時期があった。私は、そもそもあまり人付き合いがいい方ではなく、簡単に出会いができるにもかかわらず、ずっと奥手で手を出すことはしてこなかった。
一方で妻は、コロナ 禍の波に乗りZoomを活用してどんどん人脈を広げるのを見て「いいなぁ、自由で」と妬んだりしていた。今では、そこで広げた人脈がオフラインでの友達になっていて活発に行動している。
そんな私にとって、この「多くの人が出会いを求めすぎ。今やるべきことがおろそかになり、本当に大切な人を見失って命を滅ぼす」という言葉は身にしみた。自分の「今やるべきことは何なんだろう」と考えさせられる言葉だった。
出会いにお金をかける前に本を読め
要約
師匠は、「SNSなどによって、出会いが身近になり、価値が薄くなってしまい、本当のつながりとバーチャルかつながりが混ざってしまう人が増えている」という。本当のつながりとは、予期せぬ場面で、自分の周りに誰がいてくれるのかだ。
そして、師匠は、出会いにお金を使い過ぎる前に本を読めといい、本は著者のエッセンスの塊だから本との出会いは人との出会いよりも人生に大きな喜びを与えてくれる事があるという。
感想
脳動脈瘤の発見で、自分の人生が終わりに近づいたと感じた時、孤独だと思いました。そんな中でも、誰かに何かを伝えたいと思いました。その誰かを見つけたいと思い、今は過ごしています。まずは、子どもたちかな。それ以外はまだ見つかりません。
出版されている本は、作者だけでなく編集者さんなど複数の人の目が入り推敲されていて、とても質がよくなっており、より洗練されていると思います。私もこうして価値のある本に出会えた事を感謝しています。
規模や地位に囚われすぎない
要約
多くの人が、規模の大きさや社会的立場が高い人に対してすごい人だという先入観がある。しかし、大切なのはそう言ったものではなくて実力である。
外見に影響されるのではなく、その人の本質を見る力を磨けば、イメージで相手に振り回される事がなくなり虚勢を張る必要が無くなる。人は、見栄によって堕落していくのだ。
目の前にいる人を大切にし、普段一緒にいる人とのつながりが大事だ。自分にとって大切な人は誰かを考えよう。
感想
確かに、規模や雰囲気に流されてしまう事はよくある。ろくに調べもせず、有名だからとかきちんとしていそうだからと選んでしまう。
私も高校を選ぶ時に先生に学校を見学したいと言ったら「普通科はみんな一緒で学校見学はないよ」と言われた事がある。当時は偏差値で学校を選ぶだけの風潮があった。
私は結局その学校が合わずやめてしまった。当時もおかしいなとは思ったが今になると当時自分で見に行けば違う学校を選んでいたのかもしれないと思う。自分に当時本質を見る力があったかはわからないが、少なくとも自分の目で見て感じる事はしても良かったのではないかと思う。
真のリーダーがいないのはなぜか、そして大事なのは誰とするか
要約
今の日本では真のリーダーは少ない。リーダーの仕事は、ビジョンを示し導く事のはずが、クレーム処理がメインになっているからだ。
リーダーが社内のクレーマーに当たり障りのない接し方をしたら一番割りを食うのは現場のスタッフだ。守っていくべきは、自分に力を貸してくれているスタッフだ。どんなに苦しい時も信じてついて来てくれた人たちに無駄に頭を下げさせてはいけない。リーダーは理不尽な人には毅然とした態度を取る強さを持たねばならない。
嫌い人の事を考えたり、悩んだりしていると大切な人の事を忘れてしまう。それはとてももったいない時間の使い方だ。本当の味方が何人か入れば安心して進める。何をするかよりも大切なのは誰とするかが大事だ。
感想
ここは本当に心を打った。どうしても声の大きな人の意見が通りやすく、急な対応を迫られたりする。言った事をすぐに覆し相手方と交渉もせずに負担ばかりかけて来る人がいる。
私はソフト開発をしているのだが、ソフトの現場は特にそうだ。ソフトは変更が容易だと思っている人が多くずっと開発をしている。部下にゴールまでダッシュしていてようやくゴールだと思ったら、ゴールラインを変えられる。それをずっと続いていると言われた事がある。その人は、結局やめていってしまった。とても優秀で信頼していたのに。
この部分を読んだ時、私はあの時、声の大きな人に毅然とした態度を取れば良かったと思った。
何をするかが大事だと思って過ごしてきた。私にも唯一、誰とするかが楽しかった思い出がある。初めての子どもである長男を保育園に通わせ、そこで出会った親達とは何をするにしても、とても楽しかった。同じ思いを共有し、5年間過ごした日々は忘れられない。一方で同じように次男の時も保育園に連れて行ったがそういう事はなかった。この違いは何なのだろう。同じように保育園のイベントにも参加し、するべき事はして来たのだが全然違う。私に取って長男の保育園の親達は本当の味方だったのだと思う。
「引き寄せの法則」と「別れの法則」
要約
人間社会は、実はランク分されている。基準は、考え方と姿勢だ。人は心で動き、考え方や価値観と物事への姿勢がよく似ている人と長く歩いて行くようになっている。このように同じレベルの人と引き合う「引き寄せの法則(波長の法則)」が成り立つ。
この引き寄せの法則とセットでついてくるのが「別れの法則」だ。人は成長するとステージが変わる。人間関係がガラリと入れ替わるのだ。この時、それまで一緒にいた人たちと別れることになる。このとき寂しさを感じる。しかしながら、引き寄せの法則が助けてくれて成長したステージで同じような境遇の人たちと出会わせてくれる。
感想
私も大学への進学、就職、転職で別れをして来た。
転職では、元の職場では最後に胴上げをしてもらったり、最初の上司からは「7つの習慣」という本までもらい良くしてもらった。最後の日の別れの挨拶では涙が出た。
頑張っていた場所から離れたとき本当に寂しかったし、何か悪いことをした気になった。私の場合は、間をおかずすぐに次の職場で働き始めたのでその日だけの思いだったが、今でもたまに思い出すぐらい強烈な1日だった。
新しい職場では、新しい人たちに囲まれた。前の職場では滅多に見なかった国立大学出身の人や東大、京大の人たちがゴロゴロいる職場だ。特に、自分が仕事を遂行する上で劣っているところはないが英語や数学などの勉強で培った基礎能力の高さにはいつも驚かされた。
今思うと私も新たなステージにたち別れの法則と引き寄せの法則を体感したのだと本書を読んで感じた。
私は脳動脈瘤や睡眠時無呼吸という病気を持ち、ブログを始めた。私の体験を伝える事で、同じような境遇の人に出会い少しでも心が軽くなったらと思い記事を書いている。
毎日、いろいろな人が見に来てくれていのを見ると、これもまた引き寄せの法則が導いてくれていると感じ、感謝している。
みなさんありがとうございます。
まとめ
まとめです。
- 現代人は出会いを求めすぎ、身近な人との狭い人間関係の方が大事
- 出会いを求める前に、著者のエッセンスの塊である本に投資しよう
- 人は見栄で堕落する
- リーダーは理不尽な人には毅然とした態度を取る強さを持とう
- 引き寄せの法則と別れの法則を繰り返していく
- 目の前にいる人を大切にし、普段一緒にいる人とのつながりが大事
- 「明日死ぬとしたら誰と過ごすか」を考えてみよう
最後まで、お読みいただきありがとうございます。参考になったら嬉しいです。